今朝、恐れや不安はネガティブな感情だからよくないのでは?という質問。
たしかにそれ自体はマイナス感情です。愉快ではない。
でもマイナス感情は大事です。
昔。森田正馬先生の森田療法(神経症の治療法)を読んだところ、
その本のなかに日蓮上人を例に「なぜ日蓮は鎌倉幕府の弾圧や念仏宗徒の襲撃を恐れず独自の布教をやめなかったのか」という話がありました。
森田先生は別に日蓮ファンというわけではないようですが・・・そのわけは日蓮上人にとってより怖いものが幕府の弾圧より法華経の広宣流布つまり布教活動という使命が果たせなくなることだったからだという説明でした。
日蓮さんは法華経の弘通がうまくできないで亡くなれば霊山浄土に行ってお釈迦様に申し訳が立たない。そのほうがよほど辛いことだったのでしょう。
だからといって日蓮さんが我々と全く別な意識を持つ超人的な存在であるわけではない。
たたかれば痛いし、悲しい。殺されるのは怖いのは皆同じだ。そこは人は皆同じだ。
だが、その欲するところや価値観によって人は強くも弱くもなる。
そういう趣旨ですが私には大変納得がいきました。
たとえばお金が無くなると怖いから我慢して貯金する。
怖くなければ宵越しの金は持たないとか言うことになる。
健康を害するのが不安だから深酒は辞める。
不安でないなら肝硬変など酒飲めば治るというような気持になる。
それではだめでしょう。
不安や恐怖は敵ではない。
我々に警告してくれる味方でもあります。