妙幢菩薩は最勝王経「夢見金鼓懺悔品」に登場して夢に見た懺悔の方法をあかします。
本来、「金光明最勝王経礼懺儀」のもととなったのは「滅業障品」でこちらの方が長文で最勝王経の滅罪の中枢なのですがかなり長文ですので、一般に読むなら「夢見金鼓懺悔品」の方がおすすめです。
そして此の妙幢菩薩とはだれあろう。
お地蔵さんです。最勝曼荼羅にも登場しますね。
でも最勝王経では有髪の菩薩スタイルでお地蔵さんに普通見る声聞形ではない。
でも「妙幢」は梵語で「ソ ダ(ン)ト」ですからお地蔵様の「オン カカカ ビ ソダト ソワカ」はまさにこの方の真言です。
最勝王経の中心と目されるのは懺悔を説く「滅業障品」と言うのが顕教としては妥当と思います。
「重顕空性品」は空理を説くのでこれを中枢に考える考えもありますが。この本文でも言うように空理は余の様々な経典に説かれているので最勝王経にかぎりません。
密教的には「如意宝珠品」が妥当と思います。
このお経は如意宝珠の三昧を説くものだからです。
災難除けによく効きますよ。御自分で読まれてもよいでしょう。
私は最勝王経はとても大事だと考えています。
妙幢菩薩がお地蔵さまだとすると仏滅後、地蔵尊は釈尊が弥勒の出現まで「頼んだぞ」と世の中の衆生を付属された方ですからこのお経は弥勒下生までの間に、つまり仏滅後に最も信仰されるべきと言う設定かもしれませんから。
顕教経典として「懺悔」ということを中心にするなら私は「夢見金鼓懺悔品」の読誦が非常にいいと思いますのでいつかこれもお経本にして世間に普及したいと思っています。
なお最勝王経は太鼓が出てきますが法華経のお題目には日蓮宗などで団扇太鼓を使うけどお経には太鼓は出てこない。たぶん日蓮宗では最勝王経は傍証のお経としますのでそこからとったんでしょうかね。
経題を唱えることも法華経の経文にみえないけど最勝王経にはあります。
太鼓をたたいてお経の題目を上げるのはまさに最勝王経に記載されているイメージです。
日蓮上人は最勝王経も法華経の解説書と思われていた節があるので多分に採用されたのだろうと私は推測します。
まあ、ただの推測といえばそれまでですが。