以下 羽田
最近仁王経の話がよく出る。
天台ではもともと鳩摩羅什訳の旧本が読まれるが、三井寺の仁王会では新訳も読まれる。
私も新訳を読んでいる。このは新訳のもの。
昨日も蒼龍院と電話で話したが、「下し読みするとすごいことが書いてありますね。これは読まないといけないと思いました」といっていた。
国家レベルの危機においてよく読まれたお経です。
インドに底本が見られず一説に中央アジアでできた偽経ともいうが…信仰の世界には「偽経」というものはないものだ。
私は偽経と言われるものには抵抗はない。
せんずれば釈尊の直説は大乗仏教にはなにひとつないのだ。
釈尊云々より私は長い間仏教者に読み継がれて、信仰されてきたその歴史こそ信じている。
ほかに信じる依正は一切持たない。
稀に「本当の釈迦の教えを知りたくありませんか?」などと言ってくる人もいたが知っているわけがない。山林の精舎で社会とは一線引いて行われた原始仏教。
在家の在り方を聞くならともかく街中に平服でノコノコ現れる御仁の原始仏教の真実の教えなど聞くも愚かしい。