私の好きな20世紀初頭イギリス貴族の社会を描いた「ダントンアビー」の続編。
今回はダウントンアビーで活動写真が撮られるという設定。
そしてそんな喧騒の中、グランサム伯爵の老母ヴァイオレット氏になぜか、ある故人から南フランスのコテージが遺産として贈与される。
それを巡り彼女の知られざる過去がひもとかれ…やがて物語はひとつの終焉に。
前作同様見ごたえがある一作でした。
とりわけ気になったのはイギリス貴族の邸内の礼拝堂の存在。
そこで結婚式が挙げられたりする。
日本でいえば貴族の邸内に内仏があるようなもの。
今は時代も違うが、ついさきごろの昔は資産家のなかには邸内に聖天堂などを構えて、僧侶を呼んで浴油までせしめたものもあった。
それですべての大願が成就すれば今度は報恩者徳のために十一面観音を祭祀したという。
私が小僧時代はそんなお家がまだあった。
もうどんどん減って今はもうそんな大掛かりな聖天信仰は聞かない。
あたかも時の流れには神仏の存在も抗えないのかに見えるが、スタイルが変ってもその時代にはその時代の信仰があるのだろう。
まさに「新たなる時代へ」だ。