金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

富士権現

歳末にヤフオクで落とした富士権現。白山権現と書かれていましたが但し書きにあるように富士権現です。杖が掛けていますが数珠を持つ習合系の尊像です。

仏像図彙によく似たお姿が見られます。

下は仏像図彙の富士権現

享保20年 西暦1735年御作のようです。
EH223 享保 彩色 木造白山権現像 全高25.7cm/仏高15.8cm 春日厨子入 木板書付・木造仏像・木雕彩絵佛像・古仏・時代仏 仏教彫刻_商品詳細もご覧ください

円頓一心三観の文字が見られ天台系の尊像のようです。

よくいわれるように富士権現を木花咲耶姫としたのは朱子学者・林羅山で、それ以前は赫夜姫とか金色養蚕神とか言われてきました。

私は神道集の所説により金色姫あるいは大弁才天と思って信仰しています。

いずれにしても三国無双と言われた髙山が実は女神の守護するお山というのも面白いですね。

この女性性に対する考えこそ日本の古代からの思想の原点だと思う。

その昔、TM 瞑想の創始者・マヘッシュ・プラサード・ヴァルマー師が来日した折、浅間神社に参拝、「ああ、ここにはマハーデ――ヴィ(偉大な女神。略儀にはドゥルガー女神を言う)がいる」と言われたとか。

やはり女神であることは間違いないようです。

普通は大日如来の垂迹で種字はバン字ですがここは仏像図彙のままにバ字になっているのも面白い。

赫夜姫の場合は勢至菩薩のようです。

日本人は富士に日の出を喜ぶけど、もともと富士に縁は深いのは月です。

月の精、だから蚕とも関係がある。お浅間様の乗る馬は実は蚕の幼虫をあらわしています。紋々はついた幼虫は馬の顔を思い起こすからでしょう。

 

富士権現の大事には「バサラダトバン 南無大聖不動明王 三十六童子 七十二童子 急急如律令」と唱えます。