金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

鎮護国家の祈り

昨日は終戦記念日でしたね。仁王般若経というお経に戦争はまず目に見えない鬼神の世界の乱れから始まるとされています。このため仁王会や安鎮家国法、鎮将夜叉法などの大法が存在します。これらは「鎮護国家」の秘法ですが、、この「鎮護国家」というのがなにかいけないことのように誤解している人がいるのは驚きます。
自分の国が安泰だということはひいては戦争や他国との紛争もおこらないようにということです。また、国を守るという当たり前のことがいけないというような考え自体がもう既におかしいのです。
私の中高時代は学校の教師はそういう考えの人ばかりで、ひたすら自国を侮蔑するような歴史教育をしていました。そして中国や旧ソ連などが理想的国家などという至ってバカバカしいことをそういう国の実情も知らず、声高に言っていたものです。これはもう日本民族に対する犯罪といってもいいくらいです。
 
最近の若者はその頃の洗脳された年代に比べ考え方がはるかにシッカリしています。自国が侮蔑されたりすれば怒るのはどこの国の人でも自然な感情です。また、戦火に散った同朋を悼むのは至極当たり前の感情です。もちろんひいては怨親平等の立場から当時敵国だった人たちにも鎮魂の祈りはささげたいと思います。
この鎮魂が十分でないとまた鬼神乱れることになります。鬼神とは本来、もともとの迦楼羅竜神などのことばかりでなく異界にいった故人も含みます。インドの宗教文化では死に方によって人々は様々な鬼神に生まれ変わるとされてきました。特に尋常でない非業の死に方をした人々もそうなる可能性があると考えられてきました。これがすなわちここにいう鬼神であります。
つまり鬼神となった彼らの苦を救い荒れ果てた心を鎮めることはそのまま現実の世界を救うことでもあるのです。そこにおのずから鎮護国家がなるのです。