金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

クルクレ尊

今日はニチャンリンポチェのお宅に行ってクルクレ尊の伝法と羅睺星の拝み方を受けてきました。クルクレは中国の漢字表記では「咕噜咕咧」と書きます。下の写真は今回頂いたものです。(仏画のお写真です)
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我が国では枳里枳羅金剛としても知られる尊で五秘密菩薩の一尊と同体とされますが、チベットではターラ菩薩の一種としても知られます。
一名「作明仏母」。「無上瑜伽タントラ」という究極の形の密教で拝みます。
ひらたくいうとこの尊は敬愛法の本尊です。
身色赤くしてお顔は忿怒と寂静を兼ね、四つの御手には花の鉤、華鬘索、そして花の弓矢を持っていますが日本ではこの蓮花の箭は華箭と呼ばれます。
愛染護摩法などではこれに見立てた米粉を団子にして半分赤く染めたものを使うといいます。弓矢を持っている仏様はまず敬愛の功徳があるとみて間違いありません。
人の心を射るのはローマ神話のキューピッドと同じ発想です。
でも敬愛法は拝んでみるとなかなか難しいものです。
この間もある阿闍梨さんと話をして、敬愛というと即愛染明王なんか思うけど、愛染明王拝んで縁結びとかが成就した事が無いんだよね…。というような話も・・・。
この方決して祈祷の腕が悪い人じゃないです。祈祷時の住職でかなりの行者。
でもそんなものなのです。
縁結びどんどん叶えば超一流とも言います。
もっともこればかり得意な行者もいるにはいますね。
それもその人の因縁でしょう。
ちなみに密教僧じゃないけど金光明経を訳した曇無讖は縁結びが上手だったらしい。何か「おまじない」みたいのしたらしいです。
どんなのかわからないですけど。
このクルクレも尊格的なイメージは愛染明王に非常に近いです。一応荼枳尼の一種ということなのですが。
本々、敬愛法といえば世間法としては縁結びや人の和合や交際を思うのですが、本来的な意味は諸仏の摂受をうけることです。
でも、考えてみるのに世の中に人の縁くらい不思議で微妙で大事なものはありません。
全ては人と人の縁。
結局、戦争のような不幸なことさえも根源的にはそこから起きるのでしょう。

とりあえず真言10万遍めざして拝んでみたいです。