金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

星祭

星祭の御祈祷です。
尊星王様へのお祈りに九曜星真言を加えます。
多いものでは一人分1000遍、少なくとも300遍の真言を御札一枚一枚に繰りますので早念誦でもなかなか時間がかかります。
内符も星によって変えていますから御札を作るだけでも相当の手間です。
昔は今ほどの数はないので外書きも含めて全部手書きでしてました。(おかげで腱鞘炎になりました。)
今まで拝み終わった御札から順に御施主様の戸別にまとめて札立てに並べていきます。
18日の護摩までには今申込み頂いている分はほぼ全部拝んでしまう予定です。こうしておいて当日は尊星王供を蝋燭供などの荘厳をして修します。
でないと浴油も始まりますし、この後も断続的にお申し込みを頂きますのでのんびりとはしていられません。
亦、そうかといって当日だけサッと一座拝んでそれですむような内容のものでもないと思います。
なにせ1年分の息災ですからね。
面白いもので一人一人やっているとなかには「ああ、この人今年は忙しいな。」とか「あ、病気しそうだ・・・」とか、そうすると延命真言など適宜念誦を付け加えます。
これは加持感応であって霊能力ではないので、拝んでみて初めて感じます。【当っているかどうかはわかりませんが・・・】でも拝まないとそういうことは私には全然判りません。
そういう訳で当院は星の御祈祷にはとりわけ思い入れがあります。

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星祭の本尊「尊星王」。北極星の女神。不思議なお姿です。
世にいう妙見尊と同じ神と言われていますが光背に色々と動物の姿があります。これは心宿、尾宿、箕宿を表わす星獣の狐、虎、豹です。
シカの姿も見えます。これはジャコウジカ。尊星王様は実は吉祥天と同体の女天なのでお化粧の道具として麝香や鏡をお供えします。【因みに今はしてません。ジャコウジカは国際保護動物です。】
ゾウさんもいます。普賢延命菩薩を表わすのだと思う。お次第にも出てきますからね。
尊星王は北極星の神なのですが、先ほどの三宿,心宿、尾宿、箕宿はいずれも東北の星座。乗っている龍は青竜で東方の守護神です。この青竜は北斗七星とも目されます。尊星王の別名、北辰妙見大菩薩の北辰とは読みかえると北の龍の意味ですね。
普通、妙見様だと北方の守護神である玄武【亀蛇合形】に乗ります。
だから私は尊星王には北極星だけじゃなくて鬼門である東北の方位信仰も秘められているとみています。
なお青竜のせいか、このお像に出会うときは気学で三碧が回座していることが多いのも面白いです。普通の妙見様は一白ですから。

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大変複雑な尊容なのでガラスケースに入れて破損を予防しています。
此尊像は京都で作製されました。
かって信徒総代で今は教会教師で活躍中の古参の信者さんが奉納してくれたものです。
なお星祭はどなた様からでもお受けしています。詳しくは行事日程をご覧ください。