金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

映画「君の名は」は一見の価値あり

今大ヒットのアニメ「君の名は」は一見の価値に値します。
私は二度見ました。
話の中で少年と少女がお互い人格転移を起こすのですが、実はそこが主題じゃない。むしろ前半は夢が主題。
昔あった「転校生」のようなコメディ映画だと思ったら大間違い。
過去と未来が交錯し、星空、湖、山岳といった日本の原風景やら、なにやら私たちの潜在意識をかき回す材料がワンサとちりばめられています。
最近の若い世代では大都会の風景も、もはや原風景といったものかも・・・。
この映画、みるほどに潜在意識がザワザワしてきます。
これに比べるとかの有名な宮崎アニメなどは「もののけ姫」や「となりのトトロ」、「千と千尋の神隠し」や「平成狸合戦ぽんぽこ」くらいまでが山で、あとは、反戦だの、女性だの、子供だの。お年寄りというテーマがむき出しの臭いがプンプンと鼻について頂けないと思うのは私だけでしょうか?
最後の「風立ちぬ」あたりはまあいくらか盛り返した感じはあるけどね。
別に反戦や女性、老人のテーマ自体がいけないというんじゃないけど。あまりにむき出しだと戦時中の国策映画や中国共産党の革命劇的で臭くていただけませんね。テーマ自体悪くなくても、おしつけがましさにゲッと吐き気がする。こういうのを子供だましというのですわ。
私に言わせれば大ヒットしたという「崖の上のポニョ」なんかは「君の名は」に比べるべくもなく格段に落ちた駄作中の駄作アニメです。
内容でなく歌がヒットしただけで救いになっているようなものです。
そういうテーマとか主張じゃなく作品から見た人がそれぞれ何かを強く感じとれるのが芸術としてのアニメーションなのじゃないんでしょうか?
絵だってテーマむき出しじゃ芸術絵画じゃなくてまるでポスターでしょう。

優れた芸術作品にはテーマなんかいらない。そんなものは偽物であるというのが私の考えなので・・・
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