そういう内弟子のいない間はブランクで専らタクシーの御厄介になっていました。
歩くと30分ちょい。バスは一時間に2本くらい。それも時間通り来たり来なかったりで急ぎのあてにはなりません。なんか中途半端な距離なんですね。
バスは待っても来ないので歩いていくと駅の手前くらいで、やっとバスが追いついてくるなんてザラです。私は気がせくたちなんでそんなの待っちゃいられない。
まだここへ越してきて5年くらいの時、夜タクシーに乗って「関谷の金翅鳥院ってわかりますか?」というと、「あ、金翅鳥院ね・・・判りますよ。」ということで御願いしました。
しばらく行くと「最近、よく行く人がいますね。何回か乗せたな。あそこの人はなんか・・・偉い人なの?」と聞かれた。
「いや、・・・全然。べつに偉かないですね。」
「でも、なんか白い頭の偉そうなお爺さんが良くタクシーのるけど・・・」「あれは住職の親です。」(親父は小さな会社持ってて88歳くらいまで会社に行ってましたので・・・)
「そうなの?じゃ先生はどんな人なんだろう?若い人なんですかね。」
「いいえ、若くないです。太った中年ですね。」
「そうなの。易だかなんだか見るんでしょ?お祓いとかもするって聞いたけど…易当たる?すごい?」
「易じゃなく占星術ですわ。」
「なんだかわかんないけど・・当たりますか。」
「いや、別にたいしたことないですね。」
「へええ、たいしたことないんだあ…・・じゃあお祓いは」
「そっちもそんなものでしょ。」
「フ~ン、そうなんだあ、ハハハ。なあんだあ、たいしたことないんだあ・・ガハハハッ。ところで、じゃあお客さんはこんな夜に、一体そこに何しに行くの?」
「何しに行くって?そりゃあ、あんた、・・・家に帰るんです。」
「・・・!!」
何だかね、そのあとさかんにスミマセン、スミマセンって言ってたけど・・別に何も済まないこともないよね。(笑)