金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

高僧の出てくる夢

小僧時代に師匠から、「何時までもお前のような気の利かない者はうちにいても、どうにもならないないから、小僧修行に行け。」というのであるお寺へいくよう指示されました。先方のご住職にもあって日程も決めていたのですが…
その前後に「そこではない。こっちじゃ。」という老僧が夢に出てくる。
森の中で天狗を大勢随えて素晴らしい七條袈裟を着た人でした。
何回も出てくる。
それで僭越ながら師匠にその話をしたら…「ウ~ンそこはたぶん○○だね。でもあそこは雪深くて冬になると誰もいないし、一人で仏像が盗難にあわないために番をしていないといけないから…。」とのこと。
基本的に孤独は平気。
一人が好きな私はそっちが良かったけど、独りじゃ修行にはならんわな。
それもそうだ。
人は人にもまれてこそ何とかなる。それはそうなのだけど・・・でも気になる。
結局はそれも手伝ってか、なんだかんだ言って妙に気が進まないのでいかなかった。
師匠からは叱られましたが。
ところが、そのあとでその先の○○寺には別な人が師匠の紹介で行ったんですが、それがその当時、悪い小僧さん達がいてお金を盗んでは後輩のその人のせいにしたという嫌な話を聞きました。
それで泥棒扱いされて嫌になり、その人はそのお寺の小僧を結局やめてしまったそうです。師匠もそれを聞いて「なんてことだ!」とかなり怒っていたけど…。
まあ、それ聞いて行かないでよかったと思いました。
七條袈裟の高僧のところも結局行くわけにいかないのでそのままでしたが、まあ行っていたらまた違っていたかもね。
良いのか悪いのか。
どうなったかはわかりません。
でもまた別な展開があったかも。
まあ、一種の人生の岐路だったとは思う。
余談ですが寺から出てしまった先ほどの話の彼はクサクサして京都の町を歩いていたらモデルにスカウトされたそうです。
人間、何が幸いするかわからないね。
私はと言えばその後、何となく好きで足しげく三井寺に行き、結局、現在は寺門宗の一寺院というということで活躍はしておりますが…。