金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

身投げする聖天様


小嶋聖天というのがあります。
小嶋の真興阿闍梨の感得で、切なる所望がかなわないので治罰のため、庭の池の中州に尊像を投げたところ、夜に夢の中で竜女と抱き立つ聖天が現れ、秘法を授けたといいます。これが小嶋聖天とも島投げの尊像ともいわれるものです。

拙寺には真言宗の北野宥範先生が作った島投げの尊像があります。
京都の仏具店で幾体か作られそのひとつです。
銀天像で銀天の浴油ではこれを浴油しております。
霊能者に厨子の外からどんな感じがするか聞いたら「この聖天様はすごくお働きが早い感じ。もう祈願を聞くためには行く先もおぼろで即出ていかれる感じです。」とのことでした。
本尊の六牙聖天は観音様っぽいという。これで十一面供1000座したからかしら。
新しく作った女天が猪面の尊像は確実にジックリ来る感じだとのことでした。
真興さんには面白い話がある。これは西陣聖天様ではじめて教えて頂いた話です。
真興さんは生身の尊天と暮らしていた。ある日、伝授を求める人が来るというので待っていた。すると童子形の尊天が出てきて「何か指図があるでしょう」というので「推参なり」つまり「図々しくしゃしゃり出るな」といったため、童子はその言葉を悔しがって羅室(大根を保存する小屋)の横にある滝に飛び込んで死んでしまったというんですね。
湛海さんもそうだけど、こう見るとこういう優れた聖天行者と聖天は夫婦や恋人みたいなもののようです
こうやって見ると失礼ながらかなり厄介な恋人ではあるようです。(笑)