金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

青面金剛引き戻し法


 白戸師匠は聖天供などの密教の法以外に色々修験道ならではの秘法を知っていました。

そのほとんどが大西先生と田邊先生由来です。こういう法の多くには儀軌などない法が多い。それだけに失伝したらもうそれきりです。
だからこそ、前に話したように葉上先生にも「お前の祈祷はちょっと違う」ということで可愛がってもらった。
 
さて、私が弟子入りするずっと前にはすでにNさんという女性の弟子がいました。
Nさんの話では白戸師匠は大福生寺に落ち着いたお礼参りのお遍路に信徒の何人かをつれていかれたそうです。
完全な修行遍路とはいかず歩いたり乗り物に乗ったりの遍路だったそうですが、ある時、同行さんが足を痛めてどうしても歩けなくなった。
 
さあ困った。タクシーやバスなどおよそ来なさそうな場所です。
誰か「お接待」(お遍路さんを色々もてなす四国独特の習慣)して乗せてくれる車がないか・・・と思うけど、こういう時に限ってたまに通る自動車は皆行き過ぎていく。
 
そうしたら師匠はおもむろに、一台行きすぎようとする車に向けて何やら印を結んで呪文を唱えたそうです。
そうしたらはるか先で車がなんとUターンして帰ってきたといいます。勿論一行を乗せてくれました。
 
これが「青面金剛引き戻し法」という法でした。
あまりに顕著なのでNさんはあっけに取られていると「ま、あんまりこんなことに法を使ったら叱られるけど…」と白戸師匠は笑っていたそうです。
 
この法は本格的には人型を板に釘責めにするのです。
家出人や行方不明の方の引き戻しに使う法です。
他流では道切法ともいう。
ある時Nさんは師匠がお加持してそのなかでこの法掛けられた。彼女は霊感に優れ、また卓越した霊媒でした。
その感覚はまるで空中から襟首をつかまれた感じと言っていました。

この法は生きた人でなくても死んでいても発見できます。
死んだ者は発見してもらいたいのでメッセージ出していますからね。
勿論、向こうからは来るはわけないけど見つかる可能性が高まるんです。
死行方知れずにんだ者は見つけて欲しいメッセージ出していると思います。
 
これは引き戻しの法の話ではないけど、うちでコハチという猫が行方不明になった。
そこでお弟子のkさんという方がなんとお孫さん二人を使い。「ファミリーコンステレーション」という習いたての心理療法のワークを実践したんです。
これやると皆、霊媒みたいになる。霊術じゃないけど実に不思議なワークです。
潜在意識がつながるのでしょうね。
要するにこのワークはおおざっぱにあらましを言うと各々代役立てて思い思いに動いてもらうんです。
動くだけじゃなく言葉に出ることも起きてくる。
こうなると五体加持と大して変わらない。
彼女は霊媒じゃないけどもともとそういう感覚は非常に鋭い。だからこそやってみようと思ったんでしょうね。
 
やってみたら、そのワークで猫の代役のお孫さんは私の代役にぴったりついているんだそうです。
不思議だな。猫が霊魂になって私について回っているのかな…なんて言っていたら
そうしたら、なんとコハチは私がいつも座っている座席のすぐ外壁の縁の下に死んでいるのが発見されたんです。
死んじゃった猫なんだけど「ここだよ。早く見つけておくれ~」ってちゃんと信号出しているんですね。
 
伝統的なキリスト教では動物に霊魂はないという。
どういう定義なのか知らないけど、この一事でもそれは違うと思います。日本の神道は岩や樹木にも霊はあるという。
私は動物でも少なくとも情動のある存在なら霊魂はあるとハッキリ思いますね。
アメリカのローレン・マッコーレン先生から指導していただいた「アニマルコミュニケーション」では動物のソウルに働きかけます。
キリスト教国の国でもだんだんそんな風になってきているんですね。
 
飼っていたフクロウが逃げたときは馬頭観音様に拝んで、さらにこの法かけた。そうしたら何日かしてなんとフクロウが近所の家の庭に墜落してそこの家の方がつかまえてくれて無事帰宅しました。
野生でなく人間が育てたフクロウなのでほっておくと獲物とれないので飢え死にしてしまうと心配していましたが…よかった。
勿論、法をかけてどうなるか…は神仏任せです。

こういうの超能力とか霊感は一指関係ないです。
ですから私は見つかるまではどこにいるとかは全然わかりません。法はかけても動くのは私じゃない。「青面様」です。
ただ出てくること、見つけることになるという法です。
 
これなんかはおそらく庚申様の行者だった中嶋先生からずっと受け継いだ秘法なんだろうと思います。