金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

禅寺茶話


私は大學卒業したら大福生寺に入るというお話がありましたが、お寺側の事情で取りやめになりました。

それでアルバイト探しをした。
そうしたらある禅寺のお食事作りのアルバイトがあった。
私お食事作るのはそう苦手じゃない。
修行者の食事は良く作りました。今年も一洛叉の間は私が炊事。一人暮らしも長いしね。
訊ねていって向こうは禅僧が来ると思ったものらしい。
私が有髪でチャラチャラした格好で言ったものだから、若い禅僧さん、同い年くらいの方が出られて開口一番「アンタじゃ無理!」とあきれ顔で言われた。
ただ「場違い人間」で追い払われるのはシャクですから「実はこう見えて…」といきさつをいうと、その人も在家からの出家者、意外と話が合ったのでアルバイトの話はどこへやら、お茶飲んで小一時間話し込んだ。
 
この方はさる新興宗教密教もやったそうです。
 
そこの教祖さんは近年亡くなったけど、本当は裏では神道やって「振る魂」が一番好き。一番霊性が開けるのだと言っていたそうです。意外な一面があったわけです。
もっとも教祖さんが昔、修行したお寺も新興宗教みたいなもので実は神道を核として立ち上げた密教なのだといわれている。
いわば密教といっても換骨奪胎の教えです。
 この密教系の教祖、既成教団では「ああ、○○さんねェ」と一様に苦笑いされる人物ですが意外な一面もあったようです。
占いはよくやったらしい。
尊星王流の京都支部を措いてるお寺の住職さんからもなかなか面白い人だったと聞いています。人はいろんな面があるからね。
無論私はこの教祖の芳しくない面もいっぱい聞いて知ってるから到底、好意的には思えないけど。

それからこの小僧さんは古神道系の教団にもいた猛者です。
その教団で降神の儀式だかでなんだか神様を呼び間違えた話は面白かった。
 
その教団では外で修験の「採燈護摩」みたいなの焚くそうですが、そうしたら濛々とした煙の向こうから巨大な亀みたいなのがノソノソやってくる。
先達が慌てて「ア、これは讃岐の金毘羅さんだ。この神様は呼んでいないぞ!誰だ。間違えたのは?返せ、返せ。」と慌てたという。
金毘羅さんは鰐だとか磨羯魚の神とかいうけどやはり水の動物の姿で来るのですね。
 
そんなわけで宗教よもやま話をしました。
最後はお互い先行きどうする?という話も出ましたが…「わからないけど、ま、この先は手探りで…」みたいのも一緒でした。
ま、若いうちはこんなもんでしょう。みんな。
もう顔も思いだせないけど。
あの人今はどうしているんだろうか。元気かな…
 
若い人に先行きどうしたい?と聞くときは自分も昔、こんなだったことも考え、あまり将来の目標設定にキツク縛られないようにと思っています。()