金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

みんなで祈れば怖くない?

平将門の乱 都の密教陰陽道の達人が束になって祈ったけど簡単には調伏できなかった。将門ってやはりすごいんですね。」と聞く人がいました。
まあ、将門伝説では将門は術者でもあり、彼は妙見菩薩の呪法を使ったとは言いますが・・・。

それはどうだか知らないけど…私に言わせれば大勢が祈れば効験が望めるのかどうかというとむしろ疑問がありますね。

勝っても手柄も誰のものかわからない。負けたってだれも責任問われないですからね。そもそも頼む側もどれだけ本気なのかさえわからない。
関東では廣澤の寛朝阿闍梨が天国の宝剣をたずさえて東に下ったという成田不動が有名だけど、平将門やっつけたという高僧の伝説はけっこうある。
それだけ大動員して祈った。でもみんなで祈れば怖くない。効いても効かなくても。そんなだったかも。(笑)

あまりいい話じゃないけど愛染明王の霊験談でこんなのがある。
ある皇子が護持僧をよんで愚痴を言った。
「そなたは一体わたしのためにどんな祈願をしてくれているのか?
見よ!この白髪頭を。私はこのままでは天皇にならないで老いて死んでしまうかもしれないではないか!」
「…承知いたしました。帝位をお望みですね。」
そうしたらほどなく帝が崩御されてしまたったという。
これはいっちゃいけない話ですが・・・と前置きしてものの本に書いてある。

話自体は感心しません。でも、こういう風に専心に信仰するところがあったほうが効験は望めます。
私はそう思う。


人によっては下手な鉄砲も数打てば当たると思ってか、なにか祈願があれば知るだけの諸社、諸寺をめぐって祈願しまくる人がいるけど効験はどんなもんかね。
そういう手負いの熊みたいになって方々参る人の場合は効験があったという話はあまりきかない。大体ダメですね。
祈るほうもどこでも心そぞろで、早く他の霊場にも行かなきゃ・・・という風で 一途じゃないからでしょう。

私もそういう人相手だとお気楽ですね。熱心な人だと内容によっては夜中でも拝まないといけないとおもうけど、そうはいっても私の体力にも限度がある。
だからとりわけ、講員でない外部の方の場合は原則、あまり難しい祈祷はしないと言っています。
そこは差別ですが向こうが真剣に望めないならこちらも力の入りようは違う。でもそのようなことは本尊にも失礼です。初めから断るその方が誠意だと思うものですから。お許しいただいてます。