時々ヤフオクなんかで買ったお仏像を開眼してくれと頼まれます。
たいがい、古仏ですのでまず発遣します。
俗にいうお性根抜きというものですね。
特に慎重に扱うような因縁のものは師匠は発遣したら紙にくるみ、お厨子に入れて人に見せないで内陣にしばらく置いておく。
基本的に余計な人の念がかかるのを嫌がるので目につくようには出してはおかない。
そうやって仏像に修行してもらうんだといっていました。
仏像が修行というのはけったいですが実はその仏像をめぐる因縁を清めるんですね。
それでしばらく内陣で真言やお経を聞いてもらう。
個人の場合は古仏勧請作法はしない。よほど名僧が開眼したとか、寺の本尊とかは別ですが、施主が変われば新たに入れ直しがいいというのが師僧の考え方でした。
わたしもそうしています。
細かい点を大事にしましたので例えば地蔵尊も錫杖の輪の数などがいい加減だと直して作らせないと開眼しないし、これはどうも気に入らないというとお焚き上げをすすめました。
天部などは一般の人はまつらない方がいいという考えでした。
わたしもそうしています。
天部の扱いはむつかしい。僧侶でも。
私も以前から頼まれて今年は「摩利支天」の祈祷次第を出す用意がありましたが・・・考えなおしてこれは辞めました。
天部はやはり人を見て伝授すべきものですから。