金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

富士山大弁才天女のこと

富士山は六弁才天の随一ですが実際富士山に行くと弁天さんのお宮はない。

あっても急場拵えのものくらいです。

昔から自分も守護神が弁才天だと思っているので、富士山の弁天様は?と探していましたがありません。

そんなのないはずなんですね、実は富士山の神様自体(アサマオオカミ)が弁天様だったのです。

富士山略縁起というのには「扨て此山を富士山と名づくる事いわれなきにあらす。此山の大神「浅間大菩薩」と申すは即ち天照太神の幸魂にして本御名は千眼大天女と申す、 天の頂きに住給ふ福徳大弁財天女にておわします、 三世諸仏の福徳を主り一切衆生の富貴を守り給ふによりて天地の富を士るの義を以て富士山とは名づけたり」とあります。

虚空庵立命こと岡崎儀八郎( 通俗宿曜二十八宿秘密奥義伝の著者 )がかいた「地獄極楽見廻り記・富士人穴の由来」には富士山の人穴の中は全く弁才天の浄土であるといっています。

最近は富士山見たらああ、弁天様と思うことにしています。

因みに略縁起にいう千眼大天女は千眼帝釈天の女性バージョンで帝釈天女ですかね。

帝釈天関連は庚申信仰でしょう。

浅間大神を木花昨夜姫にしてしまったのは林羅山です。その前はかぐや姫信仰なんですね。

その前は弁天信仰

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上の写真は千手観音の様ですが和服を着て髪はあげて髷にせず、後ろに長く「おすべらかし」にしています。岩座に降り立つことも垂迹の神であるためでしょう。

私は千手観音に似せた千眼大天女だと思いますね。

下は虚空庵立命の ガリ版摺り「富士山 人穴の由来」から

 

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