金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

龍の目の話

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准胝院さん自作の尊星王。

龍の目についていろいろ考察しています。

 

以下 羽田談

動物には正面向き目のついた顔と横についた顔があります。

人間的かどうかは措いて、概して草食動物は目が横につきます。

彼らはどちらかというと捕食される立場のものが多い。だからそれは広い視野で敵から身を守るためにそうなっている。

あるいは小型のげっ歯類など敵が多い動物はそうです。鳥類は猛禽を除くと概ね小型になるにつれそうなっている。

正面に目がついているのは補食動物です。

ライオン、虎、狼、ネコ科犬科全体。鳥はフクロウやワシタカは鳥にしては前向き。

爬虫類はおおむね肉食ですがやはり温度などの加減です即座に動けないこともあるためか横についている。視野は広い。

カエルは完全捕食者で目は前にむいてついている。彼らは動かないものは食べることができない。弱い動物なのに目が前についているのは要するに多産系で肉食獣に主食として食べられても絶滅しないようにたくさん生まれる動物だ

 

龍は捕食者かどうかの考えで目の位置は違うというわけです。どうなんだろうね。

余り前ではないけど、魚のように敵が多いわけじゃないから真横ではないかな・・・。

 

中国で作った荼枳尼天は狐の作りがまちがっている。アリクイのように真横に目がついている。

中国でも仏像を作るような都市部ではもう生きた狐を見たことすらない人が多いのだろうと思う。

でも日本で作るとハスキー犬のようにつくっちゃう人もいる(笑)

これダメでしょう。

動物くらい見ておくのは仏師の常識だ。

ゴジラのスーツアクターの中島春夫さんはよりリアルな動きをしようと動物の動きを観察するため、動物園に日参したという。

本物をまったく知らないで彫るのは無理。造形化も無理。