現代の若手大物俳優 菅田将暉、ベテラン女優 原田美枝子共演で親子役。
認知症を患い今は断片的な記憶のままに行動する高齢の母。
いっぽう息子に残る一時期、幼い自分を捨てて男のもとに走った母への疑念。
ないようにみえて現代のどこにでも潜んでいそうな老いのテーマだ。
・・・だが恩讐を超えて最後には、ただ、ただ母へのいとおしさだけが残る。
どんな母もある意味重要な自分の一部なのだと思わされる作品。
子を持ったからと言って人は立派な人間になれるとはいえない。
ましてや聖人になれるわけではない。
だが現実にはどうであれ、どんな人であれ子の前で立派な人であろうとすることは親の義務だと思う。
子が生まれるとき親も同時に生まれる。
初めからりっぱな親がいるとも限らず、子どもだからといってすべてにおいて稚拙だとは言えない
ともにそこから人として成長の道を歩むというのが本当だろう。