むかし神奈川県のある街に爬虫類屋さん(ペットとしての)があった。
中野の有名な爬虫類店の番頭さんをしていた人のお店だった。
面白い人でお店に行くとトカゲとかがわんさか水槽で前の方に出てくるのを見て「これ餌欲しいのかな?」と言ったら「違いますよ。羽田さんに買って、買ってって言って騒いでいるんです!」などと冗談を言う。
よく遊びに行っていたが・・・そのうち近所にまた別な爬虫類屋さんがひとつふたつできたと聞いた。
「最近増えたね、爬虫類のお店」と言ったら
「僕はね。どんどん増えたらいいなと思うんですよ」という。
「どうして?」
「近所に同じ店できたら嫌だなあと思うのは違う。
ドンドン出来たら爬虫類飼うなら県下ならあの町行こうってことになるでしょう。
そうしたら一つのカラーになってお客さん増えますよ。」
この考えはさすがだ。
今でもあるけど、当時は珍ペットブームで中野から高円寺あたりまで実にたくさんの爬虫類屋さんがあった。
彼は其の中でも一二を争うお店の番頭されていただけのことはあると思った。