ツルを助ける善行を行ったのは、インド南部に住むアワニッシュ・シャランさんだ。政府機関のインド行政サービスに務めるシャランさんは、昨年のある日、脚の折れた野生のオオヅルを見つけて保護した。 傷を手当てし、食べ物と水を与え続けたところ、1ヶ月ほどで立てるようになったという。完治してからというもの、ツルは恩義を感じてか、どこに行くにもシャランさんのあとを飛んで回っているようだ。 シャランさんは自身のTwitterにて、ツルと暮らす日常の光景を動画で公開した。スクーターで田舎道をゆくシャランさんを、後ろから捉えた映像だ。シャランさんはこのツルに特段名前を付けていないが、オオヅルを意味する「サルース」と呼んでいる。 小気味よい走行音を響かせながら砂道を快走するシャランさんの真後ろを、大きな翼をはためかせたサルースが迷いなく追いかけている。高さを自在に操りながらどこまでも追ってくるその様子は、まるでのどかな農村部の散歩を一緒に楽しんでいるかのようだ。
一緒に楽しむ旅路は、ときに30キロ以上にも
シャランさんがサルースを軽く振り返って左手を伸ばすと、サルースはシャランさんの操るスクーターの左横に場所を移し、真横を併走しながらシャランさんの視線の高さに合わせて悠々と飛び続ける。 動画は1分ほどの短さだが、お互いを完全に信頼しきっている様子が画面越しにはっきりと伝わってくる。現在までに28万回以上再生され、1万7000以上の「いいね」が寄せられた。サルースはスクーターとの散歩が気に入っているようで、最大で30~40キロほどもついてくることがあるという。
ツルは一生夫婦で連れそうという性格からシャランさんを家族とみているのだろう。