最近のお話ではないのですが、ご本尊の観音様にお供物やお花をあげるのに、なぜ観音様でなく我々の方に向けて飾るのか?
おかしいでしょう?と聞く人がありました。
これには浅い意味と深い意味があります。
浅い意味は「仏前荘厳」と言って本尊を厳かにお飾りすることが目的だからです。
飾るのは外に向けて飾るのでうちに向けて飾っても意味はないでしょう。胸につけた花飾りの花を自分に向ける人はいません。
深い意味は実は仏は供養することは仏を供養することは我々の「内在の仏」を供養することだからです。
これは供物だけではなく壇具や仏像さえも本来そのためのものです。
そのわけがわからないクリスチャンの人が形だけで仏教を偶像崇拝だと言うように木や金属のつくりものを崇拝するものではないのです。
仏像や仏画は「礼拝の対象」ではあっても「信仰の対象」ではない。
うちにおわす仏性、うちなる観音こそ真の本尊です。