金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

円頓戒は真俗一貫

円頓戒は天台の戒として知られるが、これは菩薩戒であるから本義は真俗一貫の戒律であり、在家出家の別はない。

戒こそが仏教の実践の大基盤である。

ただいまは正式には山門方ではこの会は四度加行など基礎行を終え、比叡山の眼目とも言うべき法華大会の前におかれるもの、寺門方においては勅会である伝法灌頂の前に行うというものだが、いずれも僧侶のみが対象である。

 

天台学概論の著者である福田堯穎大徳は広く布教の特色において念仏は浄土諸宗、法華は日蓮宗が眼目とするところ、止観は禅宗、密教は在家には難しい。となれば天台の最も宣揚すべきは「円頓戒」だと言われている。

 

だが残念なことに真俗一貫の義は未だ十分生かされていないように見受ける。

その点、浄土宗では在家信徒にも授けることは大いに結構だが、残念なのは戒は五濁悪世のこの世でなく、もっぱら往生ののち保てるという考えだ。戒はこの世のものだ。五濁悪世なればこそますます保つ努力がいる。

 

以下の京都・仏教大学 齊藤隆信博士(浄土宗)の論文は興味深い

https://www.bukkyo-u.ac.jp/museum/uploads/ondemand_endonkai.pdf