五戒の二番目は不偸盗戒。
偸盗とは盗みのこと。
これも殺生と同じく、まともな人は人の金品を盗むことはまずないだろうけど。
でも無形のものはいっぱい盗む。
たとえば人の時間。
面倒な話や無駄な話をもちこんでだらだらと人様の時間を消費する。
「スミマセン お話聞いてほしいのですが・・・」があれば別です。
権利のように一方的にしゃべるのはダメでしょう。
それから人の決定に自分の考えを押し付けるべく口をはさむのもよくない。
これは権利の偸盗。
決めるのあくまで当人です。
当人の人生ですから。
子供さんの進路でも大事なのは子供さんがどうしたいかです。
わが子が無事に、安楽に。というのは親心ですが、それを一番に望む人ばかりでもないのです。
以前、「家業を継がず別な道に進みたいという子供を叱ってほしい」と連れてきた親御さんがいたけど、相談はしてもそんなの叱りません。
別に誰かの立場の味方でも代弁者でもないですもの。叱るもんですか。
私自身が家の家業であった会社を継がなかったのにどうして人様に強制できますか。
そんな必要もなければ権利もない。
他人事だからそういうのだろうというけど、勿論、他人事です。
他人事を自分のことと勘違いしてはダメです。
しまいには偸盗になる。
人の希望を阻むより方向転換させたいなら、たとえば家業を継いだほうがいいと思うならその選択のメリットを言って聞かせればいい。そういう説得はすればいい。
他人の力まで借りて阻むのは変です。
それでも結果、そちらを選ばないのは本人の自由です。
危機にあるとか悪事とか言う話は人として止めて当たり前ですが、
当院でも相談の方に最後にどうするかは決めるのはご本人というスタンスでしております。
以下も参照してください。