雄略天皇は葛城の山中で「吾は、悪しき事も一言、善き事も一言、言ひ離つ神、葛城之一言主大神」という神に出会った。
神は天皇と全く同じいでたちと行列で現れたという。
人はただ一言ですべてを失うこともあれば、道が決然開かれることもある。
天皇とまったく同じ姿で現れた一言主は「それはあなたも同じですよ」と言っているのだと思う。
わたしも信者さんや弟子やそのほかの人の言葉で「ああ、言わねばいいことをこの人は言ってしまったな」と思うことは多い。
どんな言葉がいいのか悪いのかはきまりはない。場所や人や時による。
「ああ、この一言は聞こえているなあ…」と思う。
それはその後必ず良くない形になる。
場合によっては其の人への呪縛にさえなる。
あまり類例は知らないが逆に一言で神に目出られることもあると思う。
一言主は「ことだま」の現れた神だろう