金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

摩利支天が星の災いに強いわけ。


日天は黄道12宮と九曜の主、月天は白道28宿の主です。ですから天体の神の長は日月なんですね。

天体には様々な大きさがありますが、占星術の上では要は質量より影響力の問題なんです。
そこは何百光年のかなたの銀河系規模の大天体よりやはり大事なのは太陽と月です。
その日月がなお、見ることができない存在とされているのが摩利支天。

摩利支天は歓喜天や荼枳尼天並みに強烈な験力がある事で知られるけど、彼らのような地居天ではない。全く異質の神です。
遊虚空天と言って天体に属する。太陽光線の神。

正確に言うと地球における太陽光線をつかさどる存在。妙見様は北極星で宇宙の中心であるというけどあくまで地軸の関係でそう見えているわけですよね。
だから、すべての星宿神は天体そのものではない。地球における影響をつかさどる存在。

帝釈天と阿修羅の戦いは有名なインド神話ですが、この阿修羅というのは実は、ラゴウ修羅王つまり羅睺星の事。もっと端的に言うなら日蝕と月蝕です。古代では最も恐れられた天体現象。
つまり帝釈天は日月に味方して羅睺と戦うわけです。その先陣が摩利支天。
阿修羅は神出鬼没の摩利支天に手出しができないで翻弄されます。
だからとりわけ天体の災いなら得意なわけです。
たとえば三井流の口訣に大将軍を伏するには摩利支天がよいとある。
大将軍は平安時代一番怖がられた星の神。
摩利支天のとっておきの武器は何でも隠し、遮る天扇です。
そういうと覆ってかくすイメージですがそうじゃない。
実はこれ太陽光線そのもの。光でまぶしくて見えないんです。だから隠形といっても陽の隠形が摩利支天。
太陽光線の威力は摩利支天そのものです。
昼間は太陽光が強いのでほかの天体は光を失う。
光で悪星から我々を遮断して守るわけです。
愛染明王が星の御祈祷で祈られるのも同じ。日輪に住するからすべての星宿は光を奪われます。
ですから愛染明王や摩利支天はこちらから積極的に敵を破る誓願があるのです。摩利支天は隠形といっても攻めの隠形。
チベットだと白傘蓋仏頂の傘がやはりそういうパワーがあるとされています。対するにこちらは傘で防ぐ形なので防御の意味がより強い。

そういうことで私は星の祈願ですと、もっぱら尊星王を拝みますが、加えて、自分の弟子ではあるが・・・私自身の大限破門殺はハマの摩利支天 蒼龍院さんに頼んでます。
あとは七か月くらいですが月々拝んでもらってます。
早く無事に終わりますように。
オンマリシエイソワカ
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こちらは珍しい神鞭法(調伏法)本尊としての摩利支天、
ヤタガラスに乗っていますがこの八咫烏は太陽の精でもある。
太陽を支配する形。太陽じかに見てしまうと、そのあとはしばらく周りのものが真っ暗で何も見えない。
これヤタガラスの真黒いイメージだと思う。
神武天皇や智証大師を大峰山中に導いたという八咫烏、タケツヌミノミコトの本地は摩利支天です。
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