金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

携帯天部「摩利支天」


蒼龍院さんの摩利支天のお守りについて私の方にも質問が来ていますのでわかる範囲でお話します。
勿論うちで出すのじゃないから詳しいことはあちらに聞かないと私も知りませんが、私が今回話すのは摩利支天そのものについてです。

下の写真は私自身の摩利支天さまの香合守り、30年以上も持ち歩いています。実は私も数十年にわたる隠れた摩利支天の信者なんです。
摩利支天は飯縄様の化身でもある。
わたしの加持力の秘密は、一つは摩利支天さまの御加護にあると思っております。白檀製で開ければ今でもいい香りがします。
(これは八臂像で特注品です。持物もひとつひとつ別に作ってさしてある丁寧なものです。今回蒼龍院さんから出るのは二臂像です。お間違いなきよう。)
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そもそも儀軌に摩利支天さまを持ち歩けと言います。つまり携帯する神様です。

持ち歩いてもいいのではなく。そうしなさいと書いてある。

出家は袈裟のうちに在家は髷の中に容れて持ち歩くよう書いてあります。
今は髷は結わないからカバンやバッグでいいのだと思う。
(私は常にカバンに入れています)
持ってあるくことが粗末になったらいけないと思うでしょうが、星宿天、つまり摩利支天は宇宙的存在で聖天様や荼吉尼天のような鬼神から出た方とは違いますからご利益は強いのですが、扱いが難しく即祟るという神様ではない。(妙見尊もそんな感じ)何せ天体だから本体は空にある。
摩利支天の本体は陽炎つまり太陽光線ですから粗末になりようがないのかも。実態を持たない存在です。
ですからお姿も本誓をあらわすのみ。
以前チベットのある宗派では摩利支天の信仰はあるがお像はほとんどないと聞かされました。
ホントとかウソか知りませんが。
その人の話では隠れて見えないのが本相だからだそうです。

インドのルドラクシャもそうだといいますが他の天部の尊像は持っていてもトイレの中などでは外すのが本義です。
不浄を嫌います。
摩利支天だけが七処加持と言って便所、起床、食事、外出、沐浴、客に会う、就寝、に強く祈るべき神とされています。
トイレもオーケーなのは天部では摩利支天さんだけですね。

上の写真のお守りは、実はある油断からワンコがサッと咥えて行ってしまって、カジカジ噛んで蓋が傷んだので表面のみけずって彫り直しましたが、ワンコにも私にバチは当っていません。(笑)
陽炎なので傷つきようがないんでしょう。
大空を遍く照らす太陽光の神ですから、そういう過失で怒るほどちまちました狭量な神様ではない。
だからそんなに怖いと思うのは無用ですね。
勿論、神様ですからね、大事にするのは当たり前です。