金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

深沙大将と執金剛神のコンビ

深沙大将と執金剛神が一対としてまつられていた可能性が福井の金剛院や和歌山の金剛峯寺など西日本のお寺に見られるという。

これについては一切法荘厳王経が典拠と言う考察がある。以下がそれである。 

file:///C:/Users/yinan/Downloads/KJ00005888279.pdf

 深沙大将像の像容(図像)とその信仰 - 東海学院大学学術機関 

 拙寺の深沙神尊像金翅鳥院のブログ

ただしこのお経に深沙大将は出てこない。

高野山に残る文書に四天王と執金剛神、深沙大将のくみあわせがこの経典の組み合わせによるものと言う考察だ。

そのうちの観世音菩薩がすなわち深沙大将に置き換えられたという考察。

 

まあ、それについては私はとやかく言うだけの学識はないし、異を唱えると言うつもりはない。

 

ただ修験道研究の立場から今一つの可能性として思うのは修験霊場金剛山の代表的守護神としての深沙大将だ。

二上山の雌峰に鎮座していたこの神は友が島のそれとともに葛城金剛の修験の霊山を守る総鎮守的存在。葛城山は葛城二十八宿で知られる法華の霊山である。

かたや大峰山は密の峰とされ、その守護神は金剛蔵王権現である。

この金剛蔵王権現こそ対である執金剛神に充てられたのではないだろうか。

 

つまり私的には深沙大将と執金剛神はつまり修験の代表的な山である葛城と大峰の霊場を守るに二大守護神として造立されたのではないかと愚考するのだが。

 いかがだろうか・・・