金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

牛頭天王の本地

今日、久しぶりにある人と会食をしながら思い出した話です。かなり昔のことですが京都でタクシーに乗ったら運転手さんが神社仏閣に詳しい人でいろいろ珍しい話を聞かせてくれました。その際とっても衝撃的だったのは八坂神社つまり牛頭天王の話です。
運転手「お客さん。八坂神社しってはりまっしゃろ?あっこの神さんの御神体と云うのは本当は首だけらしいんです。」
私「首だけ?」
運転手「そうです。なんでも八坂さんの体の方はカラクニのなんたら(忘れた)ゆう神社に祀ってあるっちゅうことですわ。」
それだけのことですが私はとっさに羅睺星、計都星の二つの星を思いました。
つまり羅睺星はドラゴンヘッド竜神の頭、計都星はドラゴンステイルで龍神の残った尾の方です。羅睺、計都は元々インドの占星術から出ているのですが西洋占星術でも最近はこれを取り入れているようです。
密教占星術ではどちらも年回りでは禍を呼ぶ最恐の星です。
「首と体が分かれ分かれ・・・すると八坂明神の本地を古来、天刑星というがこれは羅睺と計都のことか・・・?」
普通、天刑星は木星つまり歳星のことといいますが、考えてみれば牛頭天王は手に日と月を持っている像もあります。手に日と月を持つのは阿修羅族であり、インド占星術では羅睺も計都も阿修羅の一種であるとされます。
そう考えると三宝荒神も、青面金剛も同じ阿修羅族と考えるべきかもしれません。
三宝荒神は祭文では「天にあっては八大の摩醯首羅」といいますから。
摩醯首羅天とはシヴァ神で阿修羅族の王とも言われます。
チベット仏教ではこの最恐の星のうち羅睺星を祀る習慣があります。怖いものはお祀りして仲良くしておけば安心と云うことでしょうか。
さてその後カラクニのなんとかいう神社を探しましたが見つからず、そんなドラゴンステイルの話らしき逸話のある神社もわかりませんでした。
今、思うとあのタクシーでの記憶は本当にあったことなのだろうか。・・・白昼夢かまぼろしだったではないのかというような不思議な気がします。
でも実を言うとなんとなくですが「八坂大神即ち牛頭天王阿修羅王なのだ。」とあれ以来私はズットそう思っているのです。

付記、カラクニノ・・・神社は島根県の韓国大氐神社(からくにのいたてじんじゃ)かもしれません。ここはスサノオノミコト御子神イソタケルノミコトを祀ります。牛頭天王は習合思想ではスサノオですから関係あるかもしれません。