破門殺の御祈祷。天刑星のご真言を唱える。
天刑星は天形星ともいい。牛頭天王の天上での姿という。一名歳星ともいう。
これは木星のことだといいます。
木星は吉祥の星だとかインドではグルとかいうけど、中国では暴れ者。
西遊記にも太歳星をもじったと見える「賽太歳」という妖怪が出てきて三蔵たちを阻みます。麒麟山獬豸洞に住むこの妖怪、実は観音様の載る金色の獅子です。
一行を試す試練として現れます。
破門殺も一種の試練。とてもきついけど得難い成長の体験を与えてくれます。
そう考えれば西遊記は人生の物語でもある。
写真は上願寺さんの天刑星像 立体尊像としてはとしてはとても珍しい
江戸時代の作(推定)を修復を加えたものです。
そもそも太歳は天の暴れ者で陰陽道では太白金星とともに怖がりました。西洋やインドの占星術だと土星が怖いし、宿曜だと火星や計都、羅睺が怖い。
方鑑暦で今でも太歳というのがそれ。今では反対側の歳破の方が怖いとされる。
まあ、太歳星の真向かいですからそっちに向けて破壊作用をするという意味でしょうか。今年は亥年なので向かいの巳を中心に巽、丙が敗れる方位。
宿曜の破門殺も原理は同じ。
今日拝んでいたら霊狐さんの呼び掛ける声
「天刑星は天の刑罰、すなわち星の災いだ。それが天刑星だ。だから星の災いは何によらず天刑星を拝めばいい。地に降りては牛頭天王。八方八位の災いを除くのは牛頭天王だ。」といわれた。
なるほどそう言えば天刑星とは天の刑ということですね。