金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

悲しいクモ

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おはようございます。
朝の空気が冷たくなりましたね。
ぴんぼけですがこれはジョロウグモです。
黄色に黒の筋が入りお尻が赤い毒々しい色彩のクモですが毒というようなものはありません。この時期から年末にかけて境内にいっぱい出ます。
サイケなこのクモは昔のおしろいを厚塗りして、口紅を口が裂けるようにひいているようなお女郎さんのイメージなんでしょうね。
でもそうした姿以上にこのクモは御金の為、身売りして、やくざな日々を過ごして、そして病気になれば食べ物も医療も施されないで打ち捨てられたお女郎さんみたいに・・・とても悲しい身の上のクモなのです。
その理由はにドンドン餌になる昆虫が少なくなるにつれて、このジョロウグモは逆にどんどん大きくなります。
よく似た金と灰色と黒の縞模様の美しいコガネグモはとんぼやセミとともにもうさっさと姿を消してしまいます。
もう霜の降るような頃になっても高い木の上を見上げるともう木の葉も少なくなった枝にジッと網を張っているとてつもなく大きなジョロウグモを観かけます。
もう何日も食べずにずっと虫を待っているのでしょう。
しかしその美しい幾何学模様の大きな網を乱して虫のかかることはもうないのです。
私はジョロウグモを見ると「業」というものを感じざるを得ません。
生き物好きな私でもこのクモは可愛いと思うようなものじゃないですが、ある年の暮、大みそかまで戸外にいた大きなジョロウグモを気の毒に思って家の中に移してあげたことがありますが、3日ほどで死にました。
寒い中で新陳代謝が落ちているからこそなんとか生きていたのかもしれませんね。
そうやって寒さとひもじさにさいなまれながらゆっくり死んで行って何かを彼らは残しているのでしょうか?
判らないけど理由はあると思います。
悲しいクモですけど・・・。