だからそれ以外の流派では代わりに大元帥明王を拝むそうです。
逆に天台方では大元帥明王は山門、寺門を通じて聞きません。
青面さんはとっても荒々しいのでその点でも天部めいています。
もっとも大元帥明王だってアタヴァカ鬼神が前身ですから元は夜叉です。
うちの門下は青面様拝む人が結構多い。
もともと智証大師の御請来ですから天台流では寺門の方が本場です。
門下に庚申待ちやっている人も2人あります。
庚申待ちというのは庚申の前日に体から三尸の蟲というのが抜け出て天にその人の罪科を告げるという思想から来ています。
この考えはもともとは道教のものだと思う。
だから三尸の蟲が出て行かないよう見張るのが庚申待ちです。
それで夜明かしで起きている。
本来身を慎んで起きてお経上げたりしていないといけないのだけど、これが江戸時代になるとドンドン形骸化して夜通しのどんちゃん騒ぎになったりして・・・ついには風紀紊乱の惧れありで庚申待ち禁止というオカミのお咎めがあったそうです。
まあ禁止にするほどのことも無いだろうが此れじゃ意味ないね。
それにしても青面金剛さんは怖いお方。
儀軌では肉食はダメ。このご本尊はあれるという。
元々夜叉だからね。肉のにおい嗅がせては眷属がおさまらないのかも。
だから行者は孔雀明王の呪をいつも唱えないといけない。
そうでないとなにか間違いがあれば襲ってくる。
行者から見ればなかなか気難しい大変な方なのです。
この前、師匠寺にいったら「羽田さん、ちょっと見てくれます?」と師匠が言うので何かと思ったら作りのいい青面金剛像で持ち主がどうにもよう拝まないということでよそに行く話らしい。
「勿体ないね。とてもいいお像だし、拝めばいいのに」と思ったけど・・・。
でもこれ拝み切るのはたしかに大変ではあります。
もう一つは両頭愛染画像。これはある信者さんの拝んでいるものらしい。でもこれこそ在家においておくものじゃないですね。
時代が時代なので庚申待ちもしないし、かっては大人気だった青面金剛も今は拝む人のほうが珍しいですね。
まして青面金剛法なんて実際やる人はまたまた少ないでしょう。
でも真剣に拝むなら青面様はとっても霊験が具体的なご本尊ですよ。