金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

風邪の神様のアーキタイプ

ここ大寒にきて急に寒くなり、多くの方が調子崩しています。それでもって今日は亦あったかいですね。こういう急激な変化に体を壊してしまう。
かくいう私も風邪は風邪。もっとも寝込むほどではないし、熱も無いけどあんまり元気はないです。
でもそういうレベルではなく酷い人はいっぱいいるようです。
風邪というと七母女天を拝みます。もともと伝染病の神様で閻魔天とか大黒天の眷属サプタマートリカー。梵語でサプタは七。マートリカーは母です。
インドの大黒天マハーカーラは閻魔天と同様一種の冥界神ですから、いってみれば眷族の七母女天は死神だね。インドでは奥さんのマハーカーリーは有名。
この神様が入ると八母天アシュタ(八)マートリカー(母)になる。
「女神の偉大さ」という神話ではこの大母たちは阿修羅軍と戦いますが、阿修羅は切っても裂いても血から再生する。そこで女神たちの祈りでマハーカーリーが出現。マハーカーリーは阿修羅の血を飲みほして退治します。
怖いですね。ユングの云う潜在意識に潜む元型(アーキタイプ)である「大母」そのものです。
だからこれを拝むのは死神を味方につけてしまうという発想です。
メンバーはロウダリ、ビシュナビ、チャームンダー、インダリ、クマリ、ブラフミ、クベイリなどどれもそうそうたるインドの大神たちの奥方です。
だけど七母天はこうした輝かしい女神たちのシャドウ的な部分なんでしょうね。
日本の図像で見ると金槌をもった女神として一様に表現されます。
インドではガネーシャやスカンダと一緒に祭られることもあるらしい
この御真言はよく風邪に効果があります。
オンマウチリビヤクソワカ
風邪の酷い人は此れで早く治るかも。
お大事に。
ちなみに海外からマハーカーリーのお像買ってきてしまって祀りたいという質問がありました。
密教的に言えば黒暗天女が近いので「オンキャララチリエイソワカ」と唱えてみたらといっておきました。
黒暗天女は三井寺で加行すると山内で護法善神堂お参りする時、訶梨帝母と一緒に拝みます。
訶梨帝母も日本では最も有名な大母神です。