金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

儀軌に問う


てんかん発作で悩むお子様の親御さんが見えました。
癲癇は拝んだことない。昔、学部の心理学では心因性とならいましたが最近はそうとばかりも言わないらしい。

こういう時は「儀軌」です。儀軌の中からその効能にふさわしい真言を探し出すのです。
そのためにこういう時はよく儀軌をあちこちひっくりかえして見ます。
しかしながら普通、儀軌まで見る人は密教史額の上から見る人がほとんどなようです。
要するに純粋に学問です。

わたしはそういうのじゃない。
だから純粋に学問だの文献研究のようなことは全然、興味ないんです。
まれに本なんか書いているから民間の仏教学者みたいに思う人がいますが違います。ただの市井の祈祷行者です。
残念ながら学問的教養はありません。
ですから儀軌の研究もそういう学問的興味でするのじゃないんです。
何世紀にできようが和製経典だろうが、そこは一切関係なし。
そもそも祈祷行者ですので祈祷に用いるためだけに研究している。
ほかの仔細は一切なにもありません。
平たく言えば効果を期待できるか否かだけ。
でも昔からのインドや中国、日本でも密教者というものの本来の姿はおおむねそうだと思います。
今でも密教の源流であるヒンドゥーの行者さんなどはそういうマントラの選別には大変慎重だそうです、

それで今回は不空羂索観音にたどり着きました。

以下はその後の親御さんからのおたよりです。

「羽田先生、こんにちは。

ご指導をいただいております○○です。いつもありがとうございます。娘の事について近況をご報告いたします。

今までは、3日に一度くらいで起きていた(お子さんの)発作(軽いものでは、急にボーっとして数十秒間動かなくなるもの、重いものでは、身体が硬直し仰け反り白目をむくものなど)があったのですが、退院以来、軽重を問わず発作は一度も起きていません。服用薬は今まで同様のもので服用回数も朝晩2回で変わりありません。ただ朝晩の服用量を今までと逆にしたくらいです。(1錠と1.5錠を、1.5錠と1錠に)

妻も不思議がっており、いただいたお札のおかげだと感じております。手を合わせるお札の方は、朝十一面さま100遍、夜十一面さん、飯綱さま、毘沙門さま、不空羂索観音さま各100遍お唱えしております。もちろんそれ以外も般若心経など、なるべくいただいたお勤めのお経の本の通りにお唱えしております。
いつも青白く血の気のないような顔をしていたわが子なのですが、顔に赤みがさして生き生きしてきたようにも思います。(ただ入院のきっかけになった、嘔吐、頭痛、発熱などの原因は不明のままです。)

現在のところこのように安定しておりまして、またゴールデンウィークでもありましたので、ご紹介いただいた漢方薬局さまにはまだお話しておりません。近いうちに折を見て連絡、伺いたいと思っております。

本当にあらたかなお力添えありがとうございます。いつまでも神様や仏様に導いていただけるよう、一層信心に励みたいと思っております。 」

まあ、今後どうなるかは医療行為も含め、慎重に見守っていかないとまだまだでしょうが、こういうお便りいただきますと、拝んだものとしては儀軌に書いてあることの手ごたえを感じますね。
何よりも人任せでなくご本人も熱心に信仰しているのが素晴らしい!

いつも言うとおり、私自身には何もマジカルな力などはないんですが…もし仮に何かあるとすれば、こういうのを見つけ出せる能力はあるのかも知れません。(笑)
それもこれも飯縄の天狐さまはじめ諸天善神のお導きあってのことと思っております。 合掌