金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

早めの祈祷


今日は信徒さんからどうしても叔母上の病気を拝んで欲しいという電話をもらいました。
基本的には講員以外の方対象の祈願は浴油中七日間は特にお断りしています。
スペースもないので何様の修法でも一つの檀でやっていますが・・・
さすがに浴油しながら同じ壇で護摩焚くとかは尊天が嫌がるし失礼になるので致しません。
もちろんその方の血縁でもない遠い叔母さんですから講員限定の浴油からは対象外です。しかももう明日が結願です。
まあ、でもどうしてもという。
聞けば、酸素濃度は60パーセントきってもう覚悟してくださいと医者も言っているという。
私も経験上「これ・・・まず祈祷しても延命は無理ですよ。お年も90近いし・・・たとえ一度はもりかえしても長くはもちません。」というのですが、それでもなんでもどうしても!というので「まあ、あなたのおばさまに対する気持ちを汲む趣旨で」と言って、来ていただき、十一面観音供一座をしました。
歓喜天の本地だしね。それなら浴油中でもむしろいいだろうと思って。

それで修法の最後に加えて理趣分読みました。
ダメなら早く楽にしてあげたいので・・・
理趣分は一名早めの祈祷。業が尽きないで苦しんでいる人はその業苦が消えて安楽に亡くなる。
実例は師匠のところで山ほど見聞きしてきました。

そしたら、降壇してちょっと5分ほど話しているうちに、電話で亡くなったという知らせが。
なんというタイミングでしょう!・・・でも私はこれでいいのだと思いました。
もう長く苦しんでいらしたのですしね。
業が尽きて往生するならそのほうがいい。

依頼人にも少々いいわけがましいが「これでいいのだと思います。」というそういう話もしました。
私としてはこれまさに験があったのだと思いましたから。

なんか拝んでいてどんどん楽になるんです。
聖天浴油をここ毎日二時間以上も拝み、お札を作り、午後は人と会って三時間占いの講義をし、もうくたくたでキチンと拝めるかなあ。いやあ、居眠りなんかしないといいけど・・・と思って心配したくらいだけど拝んだら逆に楽になった。

まあ、でも頼んだ人は滂沱の涙。それはそうですよね。
流石にお布施は受け取れりにくいから辞退したけど「それはダメです。いけないです!」というので、そこを理解されているなら・・・と頂戴いたしました。
当たり前のことながら親しい人にはいつまでも元気でいて欲しい。生きていてほしいけど・・・それは仏陀の金言のごとし。
・・・盛者必滅会者定離ですね。   
                             合掌