金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

竜王


龍と人間が関係ないなら雨乞いとかしても無駄?という問題があります。
飯縄様の眷属に言わすとそこを龍と人間の仲立ちをしているのが龍王だそうです。
竜王は龍ではないの?
竜王は龍を束ねる存在。そして我々とも意思疎通ができる存在です。
だからいわゆる動物霊ではなく、何か別な存在なのかもしれませんが、文殊菩薩が龍趣上尊王仏であるように、もともとが竜だった過去世を持つ存在かも知れない。天部形のお姿で表現される。
人ではないのですが出てくるときも大概人の形ですね。そうでないと人の世界とは意志の交流が難しいからかな。
眷属さんに言わせると「龍自体はほとんどが耳は聞こえないが、念のようなものでやりとりするのだ。」という。
同じように雨乞いで拝む孔雀明王は?と聞くと多くは語らず大仰に「あんな、恐ろしいもの!」という言い方をした。

龍王で龍の姿のまま示現されるのは九頭竜権現さんくらいですね。
後は天河の弁天様、ものすごく大きい大白蛇様です。
天台では十界互具というから菩薩にも龍のような動物の存在がいても不思議ではない。
文殊様が龍だったとはお経にも書いてあるのかどうかは知らないけど「龍趣」というこの名前がそれを語っています。
だから法華経でも竜宮に行って教化をしている。まったくの人間なら海の底まではいかれない。
細かいことは知りませんが、まあ、常の龍とは違い、竜王は我々の意を汲んでくれる。
これは仏道に帰依している存在だからでしょう。
もともとは昔は雨ごいの神さんだけど最近は経済的な祈願や良縁祈願まで寄せられるから結構多角的に動いておられて龍王様はお忙しいでしょうね。今朝四時過ぎに虹が出てましたが、私は虹見ると八大竜王様の存在を感じます。水と太陽、両方の恵みの象徴だからかな。