金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

政治家と宗教家


政治家と宗教家はともに人々の福祉のために働くべき仕事です。
でもおのずと在り方に違いがあります。
宗教家はそこに飢えている人が目の前にいればまず食べ物を、凍えている人がいるなら家に入れ暖を取らせるというのが宗教家でしょう、
つまり縁にふれて慈悲を施すのが宗教家です。

一方政治家は飢えている人がいればその人だけだろうか。どうして飢えているのか?そうした全体のことを心配すべき存在。
直に縁に触れていなくても全体を見据えないといけない。
つまり極端な話、目の前の飢えている人の救済に終始するのでなく、国や地域全体の福祉を第一にします。これも大事です。
だから目の前に困った人がいるからと言ってすぐに一人一人は相手にできるとかぎらない。
宗教者というのは先ず縁に触れた人。助けられる者から助けていく。
パンが三つあれば当座だけでも三人は助けられるというのが宗教家の在り方。慈悲を先とするのが宗教者です。
全員等しく助けられなくても助けられるだけ助けたい。

政治家ならパン三つばかりじゃしょうがない、どうしたら100個でも1000個でも皆にあげられるかと考えるのが政治家です。
どっちがいいとかはない。どちらも大事。

だけどそういう違いの認識があるのか?ないのか?…よくもわるくも最近はもっぱら政治家的な発想に終始するお坊さんもずいぶんいらっしゃいますね。