金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

霊威あるものは・・・

昔、大福生寺にきた人の話。誰だか知りません。昔の話。
立派な涅槃図と金光明最勝王経10巻本を持っていた。

拝むでもなくコレクションしていたのだか、何だかわかりませんが・・・。
その実物を見て師匠は「これはこのままお宅においておいてはよくない。奉納したほうがいい。」と言ったら、なんかそんなこと勧められて納めたら損だな・・・みたいに思ったのか、渋っていた。

そうしたらそのうち火災に遭ってその宝物も家も全部無くなった。

同じような話、ある事業主が立派な大黒天をずっとある寺に預けていた。
それがとても名人の作でいいものらしいというのを聞いて考えが変わったのか引き取りに来た。
そこの住職は珍しく気になって「持って帰らないで置いておけば?」みたいにいったが「御冗談を」みたいに言って持って帰った。
しばらくして亡くなってしまってまた寺にお像は帰ってきたという。

こんな話もある。これは信貴山の故野澤猊下に伺った話。
繊維工場を持っていた信者さん。
この人が堺の街の骨董店で珍しいものを見つけた。
「刀八毘沙門天図」でした。
毘沙門信者なので熱心に祀って祈ったら工場が三件も増えるくらい儲かったそうです。
そうしたら同じ信貴山にきている霊能者のおばあさんから
「これは信貴山に納めたらいい。在家に置いたらあかんものや。」といわれた。
でも惜しいので自分の菩提寺において時々拝みに行ったらしいのです。
でも「これはあんたの菩提寺じゃダメだ」と言われた。
それでも「これは自分の守り神だから」と惜しいので強情を張って、あくまで手放さなかったら今度はあれよあれよという間に衰微してすってんてんになってしまったそうです。それで信貴山にもっていった。
当時は御父上の密全大僧正。
それで掛け軸をよく見たら。なんと昔の信貴山の分院所蔵の宝物だった。
毘沙門天はその人の手を通じて帰るつもりだったのだろう。
 
霊威あるものはそれなりの環境に置かないといけないという話ですね。