金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

歳徳神の秘密


歳徳神は牛頭天王の奥様という。
南海、沙伽羅竜王宮でその娘をお嫁にもらってきたという伝説です。
どうもその辺から本地は八歳竜女だとかという話も出てくるのですが菩薩としては十一面観音になっている。
歳徳神と言えば恵方参りの信仰と同じ信仰です。吉方に行くのが恵方参り
吉方の神を呼び込むのは恵方札。
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でも九星気学や奇門遁甲などのいわゆる方位術をやる人に言わすと「歳徳神なんて大した吉方じゃない、使えない」ように言う人も沢山います。

一方亡くなった先輩修験者さんに私が聞いているのは、「方位の悪い方に引っ越したら歳徳神の方位に一回泊りに行け。毒消しになる。」という口伝。
これが効くという。
普段行者はそういうことはあまりいわない。
それが方位の話題の席でひとことサラリと教えてくれた。
そういうのは大体ホンモノです。私もそれ以来、歳徳神という方位神に注意を払うようになった。

今の世の中使ったこともない口伝だの秘伝だのペラペラしゃべる。
そんなものは遊びで自分を飾りたいだけの人間のやること。
「こんなことも知ってる俺ってすごいでしょ?」って言いたいだけ。
そういう人間もよく徘徊してるけど付き合わないことにしてる。
術教えても自分のお飾りにするだけの幼稚な人間です。
こういう人間に教えても術が死ぬ。
「すごいでしょ。」といいたいのだろうからこちらは逆らわないで「すごいですね。」とはいう。
人によっては「教えてあげましょうか。」というので「結構です、そんな凄いこと人に教えない方がいいですよ。」といっておく。
誰があんたなんかに習うか。教わるべき人は自分で選びます。

さて方位術としては術者の間では歳徳神なんて…というが。行者には使えるという話の矛盾の謎は何?
それはね、片や術で、片や信仰だからです。
方位として考えれば拝んだりしない。
でも拝むことによって引き出されものもある。
ひとくちに神煞というけど「○○神」というのは凶であってもその神を拝んで治めたり、力を引き出せる存在。

歳徳神もそういう存在。
ただの方位として考えるのか、神として考えるのか。
拝む拝まないでそこは違うのです。

歳徳神の御札は22日まで受け付けています。