金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

映画「空母いぶき」を見て・・・

映画「空母いぶき」をみました。
私はかわぐちかいじ氏の現作を知らないけど、原作とはだいぶ違うらしい。
かわぐちファンの一部からは不満の声が聞かれるようです。

私的にもそんな悪い映画ではないけど一回見たらもういいわって感じ、二度まではいい。
最近の映画は音楽や絵画などにくらべて、世間受け狙いでおとなしくなりすぎだわ。もっと物議醸すような衝撃的なのできないの?
テレビじゃなくて映画なんだよ。

まあ、それはそれとしてこの映画は架空の国との武力衝突で領海内の島が占領されてしまうという現実にありそうなお話の設定。
空母いぶきを主力とする艦長以下の戦いぶりを描く。
まあ、「自衛隊反対!」「武装解除即平和実現」なんていう人が見れば最近、空母作るのなんのに乗った一種の御用映画にみえるでしょうな。
私は防衛軍作るべしという立場だからどうであれ、なんとも思いもしませんが・・・

一貫しているのは敵を排除するけど、なるべく殺しちゃダメ。敵も味方もなるべく殺さぬように・・・・という考え。
自分に非常なリスクがあっても選ぶのは敵味方なしに人命尊重。
それ自体は大変結構ですね。そこはそう思う。

でも、それをするには圧倒的な軍事力の差がないとむつかしいということですね。
それは物量とか兵隊さんの人数ではなく、高度な技術力と技能の問題です。
猛獣をただ退治したり、叩き潰すのではなく、捕まえて無傷で山に返すようなもんですからその手間は尋常じゃない。余裕がないと。
まあ、未来の戦争、否、戦争回避の理想的モデルだとは思いますが・・・
果たしてそんなことをすべての国が均等に考えられるようになるのかしら?
当然無理でしょ。
戦争は基本は余裕のないところからおっぱじめますから。
そんなことできるならもう世界は平和です。
そういう戦闘上の人道配慮はやるなら余裕ある大国からやるべきことです。
だって専守防衛って半端な軍事力じゃできません。
大変だよ。
昔、北朝鮮の船舶が、領海内で海上保安庁と撃ち合って自爆。
社民党のおばさまが「人が死んだじゃないか!人権問題だ!」と非難したけど、あんた海上保安庁のひとだってひとだよ。あんたと同じ人です。
「公僕」なんて言葉が今だにあると思ってるんだろうね。こういう人は。
国民主権でもサーヴィスする側だって同じ国民です。
同じ人間に「あんたはたとえ撃たれても黙って撃たれなさい。」って誰が言えますか?ロボット軍団が国を守ってるんじゃないよ。
自衛隊だろうと、警官だろうと、消防署のひとだろうと人なんです。
マスコミもそこは認識大ズレだね。

そもそも自分が余裕がないのに人に優しくするのは難しい。
これタダ人道がどうの人命がどうのという精神論だけで話すことじゃないと私は思ってます。
噛んでくる猫は制せられるけど、じゃあライオンじゃどうかね。喉でも撫でてみますか?
私は軍事については素人だからなんもわかんないけどシロウト目には率直な話そう思います。

専守防衛はある意味、最先端の軍事機器を持ち、一流の要員を養成できる軍事大国でないとできません。