AI(アーティフィシャル インテリジェンス)は人工知能と訳されるが、これが今や最もすすんでいるのは兵器の世界である。
非常に魅力的な分野で頭脳的な若者で将来この分野を目指す人もとても多い。
だが、武器の製造元はこぞって悪魔も驚くようなAI兵器を作り、売り込みに懸命だ。
既にアルメニアとアゼルバイジャンの戦いでトルコからAI兵器を輸入したアゼルバイジャンはアルメニアを完膚なきまでに叩き潰した。AI搭載のドローンは防空壕の人間までも探し出して自爆攻撃をする。
アルメニアの後ろにはロシアが控え数々の近代兵器をもって援助したであろうに、である。
無論ロシアにAI兵器がないわけはない。だが能ある鷹は爪を隠すである。
ロシアがそのような秘密兵器を他国のために供与するとは考え難い。
最終的に かの国がしたのは和平の仲介だ。
アメリカのベテラン空軍パイロットとAIとの模擬空中戦、何度やってもAIの圧勝。
イギリスは兵士の30パーセントを将来ロボット化する計画。
東アジア侵略をもくろむ中国も当然AI兵器に最大の力を入れる。
ハッキングの能力と合わせればインフラや物流を止めて一か国まるごと兵糧攻めにすることも容易だ。
フェイク画像を作り暴動や紛争も起こせる。
そして終いには各国は戦略や攻撃の要不要もすべてAIにゆだねる。
総司令官はAIだ。
まるでエスエフだ。だが映画や物語のなかでもそういう星や組織はしまいにAIの暴走で滅ぶのがおさだまりである。
これも所詮は機械なのだ。不具合ひとつで人類殲滅の戦争にもなりかねない。
私はAIは決して兵器にしてはいけないと思っている。
コンピュータの不具合でソビエトの軍隊にアメリカの核ミサイル発射情報が流れ、これに対して報復するのを賢明なソ連の将軍が自己判断で阻止した話がある。それは人間的判断を優先したのだ。そうでなければ世界は終わっていたかもしれない。
コンピュータを信用しなかった将軍は人類を救ったわけだ。
AIによる軍事競争をのばなしにすれば確実に人類は滅ぶだろう。
人気SF映画「ターミネーターシリーズ」の世界滅亡の引き金とされる「スカイネット」の暴走はもはや現実におこりうるのだ。