どこの祈願寺でも大抵、特別の御祈祷というのはあるものです。
中には表立って言わないけどあるということも。
トビきり良い御祈祷とは何か?
勿論布施する額が大きいだけということもあるでしょう。
お護摩などはそんな感じのところが多い。
で、大きなお札がいただける。
ただ聖天様には祈祷専門寺院では手間かけたご祈祷も用意されている。
「大聖歓喜天使咒法経」の中に上、中、下の三品の供養が説かれていて
上品(じょうぼん)に我を持すれば人中の王となさん。
中品(ちゅうぼん)に我を持すれば帝の師となさん。
下品(げぼん)に我を持すれば富貴無窮なりとあります。
これを普通、上から浴油供、華水供、読経供養と考える風もあります。
まあ。寺によっては浴油が三通りということもある。うちもそうですが。
でも大きい御祈祷頼めば必ず大きい結果がもらえるのか?というとそうではない。
それは尊天をお喜ばせするために贅を尽くすというのは良いが、全部人任せ。行者任せではダメですね。
真剣な祈願の心がないと。
その意味ではお金で御利益は買えない。
ハッキリ言うと。家で手もろくに合わさないなら上品の御祈祷などかえって障礙になる。上の御祈祷頼む資格がない。
だから私の師匠は上品の御祈祷でと言っても、いやしなくていいということも多かった。
しないでも叶うというのもあったろうが、この人はしても無駄というのもあっただろうと思います。
真摯な敬意をあらわさないからです。
ちょうど豪華な宴を開いて人を招いておいて給仕を任せ、客人に対し自分はあいさつにも出ないようなものでしょう。豪華な宴とは心づくしの感じられる宴で、ただ美味美酒を尽くせばいいというものではない。
それはそのまま尊天をバカにしている行為になる。よくありません。
だから上の御祈祷を頼めばじぶんは行者任せでいいかというとそうじゃない。
より丁寧に尊天への礼拝、信仰が問われるのだと思います。