金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

牛頭天王ご縁年 香合守り再び授与

上願寺では丑年ご縁縁で再度、牛頭天王、波梨采女の合わせ守りを授与するそうです。

前回頼みそこなった方はご縁年こそチャンスです!

数に限りがあるようです。お問い合わせはお早くどうぞ。

 

下をクリック

埼玉県春日部市:天台寺門宗上願寺

 

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なぜ疫病を退治する牛頭天王はウシを頭に載せているんでしょう。

と言うよりなぜ「ウシ」なのか?

一つには古代に万能薬とされた牛黄(牛の胆石)の象徴でもあるのかもしれません。

牛黄は冷やす力がとても強い漢方薬で非常に珍重されました。

下は牛黄を使っている代表処方「牛黄清心丸」 滋養強壮や肉体疲労に使う (岩手県八幡平市 あさひ薬局様提供 )

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今でも牛黄法印と言って牛黄を朱肉に入れた判を押したお札をいくつかの寺社では出していて魔除け、疫病除けとします。

 

さらにウシはインドで最も神聖とされた生き物。神に近い生き物です。

インドではブラフマン階級の人はすべてベジタリアンですが、肉魚などの動物性たんぱくを口にしない彼らの健康を支えているのはウシたちのもたらす豊富な乳製品でしょう。牛はインドに無くてはならない生き物です。

シヴァ神の乗る神のウシ「ナンディン」は今でも広く信仰を集めています。

インドのニューデリーでは以前は交通渋滞の一代原因はウシでした。

ウシが道を渡るまでは交通はすべてストップするのが常でした。

最近では経済最優先の考えから都市部からウシは追い出され、古いヒンドゥーの教えを信じる篤信者はこのありさまを嘆いています。

この牛に対する尊敬はしっかりと仏教にも引き継がれました。

広い意味では仏教もインド・ヒンドゥー教の文化を引く宗教の一派なのです。

法華経は諸経の王とされ、譬喩品の「三車火宅」の比喩では、車で言うなら大きな白いウシが引くと言う大白牛車に譬えられて登場します。

そもそもお釈迦さまの現地での呼び名は「ゴータマ・シッダールタ」

これは訳しますと最も素晴らしきウシであるシッダールタの意味です。

ウシに譬えるのは尊敬のためなのです。

だとすれば牛頭天王とは最も素晴らしきウシの護法神でしょう。

 

 牛頭天王は疫病除け、健康を守るのみならず、開運、方位除け、厄除け、魔除け、良縁を呼ぶ神でもあります。

良縁の御利益は意外と知られていませんが・・・

神祇ではスサノオノミコトに充てられ、恐ろしい八岐大蛇を切って櫛稲田姫と結ばれたのお話は有名です。

歳徳神はこのため櫛稲田姫と同体とも言われてきた幸運の女神です。

日本の神様随一の大荒神だったスサノオは乱暴が過ぎて天界から追い出されて放浪していましたが、難敵八岐大蛇を退治して櫛稲田姫と出会い大きな幸せを見出しました。

 

聖なる牛の神様「牛頭天王様」を皆様のお宅にもお迎えしてはいかが?