金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

兌の教え

兌というのは易の八つの基本卦 八卦のひとつです。

 

兌のあらわす方位は西であり 時刻は夕方であり 季節は秋であり 感情では喜び 

場所は水辺である。

易の卦、八つそろえば全部の方位、全部の季節 全部の時間 人の感情 あらゆる場所が網羅される。

つまり宇宙を八分割したものが八卦。他の事物も全部入る。

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なかんずく喜ぶという気持ちは兌である。りっしん弁に兌で悦びでしょう。

人を喜びがないと生きていられない。

だが易の教えでは喜びは意外なところにある。

兌は三本線の卦象で表せば一番上だけ欠けている。八卦の右から二番目を見て欲しい。

つまり専門的に言えば一爻欠けているという言い方をする。

 

つまり欠けているのです。

 

これが欠けないと乾の卦であわらすところは天になる。万全だ。

だが天は陽の極みで次の瞬間、陰に転じる。

 

つまり人間の喜びは欠けているところにあるのだ。

だから一生懸命お祈りしているのにどうしもこれだけは叶わない。

「ああ、此れさえ叶えば完璧なのに・・・」

あなたの人生にそういうものがあればそれが兌であるのかもしれない。

それが満ち足りてしまえば真にいいようだがそれは乾となり陰に転じる兆しだ。

勝ちではあるがそれでゲームオーヴァーだ。

ゲームを長く楽しむなら一爻欠けるくらいでちょうどいいのかもしれない。

望みながら叶わぬ願い。

それが人生の安全弁になっている可能性もないではないでしょう。