お供物はどう備えるべきか。霊狐さんが語ってくれた。
「それは備える心にある。遠近は関係ない。
たとえ本尊が目の前になくとも「これを捧げます」といえばそれでいい。
それでとどく。
本尊の真ん前においても祈る心、ささげる心なくば届かぬ。
ただ置いてあるにすぎぬ。
そういうものだ。」
「じゃ、よそでおいしそうなもの見つけて「あげたい」と思ったらいいんだ?」とちらっと思ったらすぐに
「お前はまたそのような愚かなことを思うのか‼
自分が購わぬものはあげられぬ。決まっておろうが。
神は非礼を受けずだ。自らのものでもないものをあげようとする心。それは盗まずとも盗んだものを献納するに等しい非礼だ。」とキツク叱られた。
一瞬思っただけでも直ちに叱られる。
師匠という方がほとんどいなくなってしまった現在、私にとって霊狐さんは最も怖いお方です。