今回は飯縄様ならぬ秋葉さまが「わしを連れてかえってよく拝め」というので御像を持って帰ってきた。
秋葉さまはもともと越後の修験者です。
飯縄様のような元からの神霊ではない。
地上を三尺浮遊するように飛んだといいます。
約一メートルですね。
逆に言えば10メートルとかじゃないから信ぴょう性はある。
不動八千枚を焚いて戸隠山で迦楼羅身となり、どこからか白狐現れてそれに乗って消えたという。
爾来、全国を回って衆生救済、とりわけ火災を収めたといいます。
最終的に秋葉山に落ち着いたので秋葉権現というようになった。
出身地の越後では三尺坊大権現と言います。
私的には秋葉さまは飯縄の修法者だと思う。大大大先輩です。
飯縄法を収めた成就者であるから全く同じような姿で表現されるのでしょう。
ただ飯縄様と違いヨモギ頭でなく不動様のよう。そして兜巾をしている、あるいは結袈裟をつけている。つまり修験者です。
秋葉総本殿「可睡斎」に行くと「鎮防火燭」というお札がある。
聞くとこれは火災除けだけでなく、三毒の煩悩を不始末にすれば人生の大火災に至るとを言うものだという。
味わうべき教えです。
秋葉さまはお稲荷さんと同じ正一位の偉い神様。
その昔、宮中で大きな火災があった。
もうてんやわんやの大騒ぎでしたが、その炎の中秋葉権現がみえた。
助けを求めると「我は無冠位なれば、むなしくこれを見送って候。」という声があったという。
つまり冠位がないので宮中に入れないから火をとどめられずに残念だというのだ。
それで正一位になったとのこと。