人間には欲望がある。
だから仏に祈る。
財 色 食 名 睡を五欲という。
人間の基本、財産欲 色欲 食欲 名誉欲 睡眠欲
それを叶えるためにご祈祷するのは別に悪くないでしょう。
一応世間的な息災 増益 敬愛 調伏 鉤召 延命もあるのはそのためです。
欲しい御利益を誓願によって仏から引き出すのが祈祷。
でもって商売繁盛とか家内安全のお札が出るわけです。
でもそのご利益をより増大させるために仏像まで祀るのは違うと思うのです。
仏像はそんな五欲のためだけで祀っては本来的ではありません。
そうした五欲を離れた世界をも知るために仏を祀るべきです。
仏なら仏道を歩ましめる出離の誓願。
天尊なら仏道へのアプローチを守ってくれる誓願。
それらを無視してひたすら五欲のみを祈るのは仏像を祀る資格はないというべきでしょう。
ご利益を求めて仏像までは祀るべきではない。それは過ぎたことです。
そのためうちでは基本的には仏壇の本尊以外に仏像まで祀るのは得度者やご信仰の長い篤信者だけにしています。
その理由で存じ上げない門外のかたの仏像開眼はお受けいたしておりません。