金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

悟りの人 慈悲の人

悟ることこそ仏教の目的と考える人。

ゆえに山に籠って滝に打たれたり、ひたすら座禅三昧。世俗と接することは少ない。

 

かたや衆生救済こそ仏教の究極と考える人。

済世利民につとめるが悟りらしきものは未だなにひとつ得ない。

 

亡き山田恵諦お座主は仏教には悟りの教えと救いの教えがある。

天台法門はどちらかと問うなら、それは救いの教だと言われた。

 

人は容易には悟りの人になれずとも慈悲の人にはこころひとつで成れる。

悟るのは大変だが水たまりに落ちているアリを助けることは誰でもできる。

必ずしもわが身を削り私財を尽くしてこもった人に施すまでもない。

自分に応じた慈悲の実践。

仏を念じ慈悲を実践する。それだけでいい。

それが私の知る大乗仏教だ。

 

密教に当てるなら仏を念じることは意密の観想に当たる、慈悲の実践は身密

愛護をかけることは口密だ。

それであれば印を結ばずいまだ真言を知らずとも即身成仏であるといえよう。

我等悟りを知らぬ愚痴の凡夫も仏と同じきみわざがなせる。