准胝独部法の一般伝法を准胝院さんですることになった。第二回目です。
拙寺は十一面観音が本尊であるが准胝仏母の良さといえば実際拝んだ経験では
霊験が等しく速やかであること。延命の功徳が顕著なこと。
又寝たきりの御病人や高齢者や赤ちゃん、祈祷を意識できない動物などにも有効なことだと感じている。
私はとかく密教の伝授についてやかましくブーブー言うのだが、この准胝法は在家のできる唯一の密教行法である。
何方にも安心して修していただける。
その意味で諸行法のうちの至宝であると感じる。
なので人を選ぶ必要はないが、老婆心ながら以下の注意がいると思う。
1,准胝仏母は利益無辺であるが、この法は基本的に滅罪生善のほうであり、現世利益を第一の目的としておこなうものではない。
2,在家に伝法できても伝法は阿闍梨職位のすることで、習ったからと言って他人に教えることはできない。
3,構造は簡単な作法だが、この応用で何尊でも、例えば聖天の印相など勝手に調べて結び念誦するなどは越三昧耶という宗教上の重罪で功徳を根こそぎ損なう。
4、基本的に密教であるから人前で顕わに印相などを結ばないこと。ましてや、自分が准胝法の行者だと吹聴しことさらにひけらかすなどは問題外である。
そういうものは仏教の布教とはいえない。
布教はその人の修行の徳が現れて周囲が自然に興味を持つことからはじまるものに尽きる。
以上である。
一方まじめに修すれば功徳はその身は勿論、広く家族、縁者にも及ぶ。
練行して功徳が積、いわばその修行者そのものがお守りであり、祈らずとも人や生き物を利益できる。その功徳は息災延命を第一とする。