オランダ北部フリースラント州に住むビアンカさん(54)は2021年、長女デニーセさん=当時(21)=を安楽死で亡くした。ビアンカさんによると、デニーセさんには自閉スペクトラム症(アスペルガー症候群)があった。他の子どもとうまくコミュニケーションが取れず、12歳の頃からパニック症状が現れるように。家庭では対処が難しくなり、14歳で施設へ入所した。 15歳の時に自殺を図り、施設を変えるなどしたが、不安定な精神状態は良くならなかった。その後も自殺未遂を10回以上繰り返し、18歳の時には「1人で死ぬのは嫌だから、安楽死したい」という手紙を両親に書いた。 「娘は『ほかの人ができることが自分にはできない』と苦しんでいた」。ビアンカさんはそう話す。「私たちは『あなたはあなたのままでいい』と何度も言った。でも、本人がそれを受け入れられず、苦しんでいた。『死にたい』というより『これ以上、生きることに対応できない』。それが娘の気持ちでした」
▽「決めつけないで」 オランダには「安楽死専門センター」という機関があり、精神疾患がある人など一部のケースを扱っている。デニーセさんはこのセンターに登録したが、精神疾患の場合は治療やケアで良くなることも多いため、オランダでも安楽死の審査は慎重に行われるという。 デニーセさんも約10カ月間の経過観察があり、約1年半の審査を経て安楽死が認められた。最後の2週間は自宅で過ごし、安楽死の前夜はビアンカさんと手をつないで寝た。 当日「やっとこれで逝ける」とベッドに駆けていったデニーセさん。医師から左手に致死薬を注入され、家族に囲まれて笑顔で亡くなったという。
難しい問題だがいずれ出てくる「死ぬ権利」
自分の命なのだから自由であるべきといえばそうだが、宗教的に言えばそうであっても自分一人で支えてきた命ではない。
たくさんの生き物の命の上、人や社会の力の上に成り立ってきた。
良いの悪いの他人には決められないといえばそうだが、将来的に可能ならこれを選択しようとする人はなるべく多くの人の意見を聞いてみるべきだろう。
私自身、死にたいほど苦しい状況で回復がないというなら
どうするだろうか?
死の選択をどう思うのか人に尋ねるだろうと思う。
もういいのでは?といわれてほっとするのか。愕然とするのか。
いやまだまだ生きなきゃダメと言われて生きようとするか。
正直現場に立たないとわからない。
仏教では四恩という。
父母の恩、生まれて育ってきたという恩恵。
一切衆生の恩 それはこの世の中の様々な人の活動や支えが根底にあった。
食べものになった動植物やペットも含む命の横糸の恩恵
国王の恩 現代で言うならその国の歴史の恩恵だ。その国土で育まれてきた命
の経糸の恩恵
三宝の恩 これは仏教を信じる人のみだが、御仏はどう思うだろうと考えてみ
るのも大事だ。
仏と教と実践し伝えてくれた人はどう思うだろうか。
この死ぬ権利が普通になると最晩年は皆、病苦や老衰でくるしいので死因はこれになるかも。
死にたくとも死ねない命を生き切るのも意味があるかもしれない。死にゆく姿は業の消えゆく姿でもあるのかも。